はじめに
新NISA制度については既に知っていますか?
2014年に始まった日本版個人貯蓄口座(NISA)は、個人投資家にとっての節税対策として大きな注目を集めています。
そして2024年から大きく変わった「新NISA」。
年始からググッと株価は上昇し、「もう始めるのは遅いのでは?」と疑問に思っている方も少なくありません。
この記事では、新NISA制度の概要、メリット・デメリット、そして今から始めるべき理由を解説します。
また、正しい始め方についてもご紹介しますので、最後までご覧ください。
新NISA制度とは?
NISA制度は、特定の金融商品への投資に対して、一定期間税金がかからないという制度です。
主に株式や投資信託など、リスクはありますが成長が期待できる商品への投資を促進することを目的としています。
正式には「少額投資非課税制度」といいます。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにして日本版の制度がつくられたことから、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がつけられました。
2024年からスタートした新NISAはどんな点が新しくなったのでしょうか?
1.つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に
2023年までのNISAでは「つみたてNISA」か「一般NISA」のどちらか一方しか選べませんでしたが、2024年からの新NISAでは併用が可能となり、投資の自由度がグッとあがりました。
2.非課税になる投資枠の上限のアップ
非課税になる年間の投資上限金額がアップし、より沢山の資金を使って投資ができるようになりました。
3.非課税になる期間が無期限に変更
2023年までのNISAでは、非課税になる期間が「つみたてNISA」は20年、「一般NISA」では5年となっていましたが、2024年からの新NISAでは無期限になりました。
長期の投資や運用に取り組みやすくなりました。
4.年間360万円まで投資上限額が引き上げられ、生涯で1,800万円まで投資可能に
旧NISA制度での年間投資上限額は、一般NISAを選んだ場合は120万円、つみたてNISAを選んだ場合は40万円でしたが、新NISA制度では360万円と大幅に拡大しました。
さらに、生涯非課税限度額が買付金額ベースで、合計1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)に設定されています。
5.売却をするとその分翌年に非課税枠が復活
これまでは、つみたてNISA枠を使って売却すると、その投資枠は戻リませんでした。
しかし、新NISAでは売却後、翌年になると投資枠が復活するようになります。
メリット
- 税制優遇:投資から得られる利益(配当金や譲渡益)に対して、非課税の恩恵を受けることができます。
現行のNISAと比べて年間投資枠・非課税保有限度額の増額によって資産形成がより効率的になったことが挙げられます。 - 多様な投資商品:株式や投資信託など、幅広い金融商品が新NISAの対象となっています。
どの商品に投資するか、まずはランキングなどを参考にしてみると良いでしょう。
手数料の違いや、リスク許容度など、資産を減らさないためには、しっかりと比較検討することが大切です。 - 資産形成の促進:非課税保有期間が無期限になったことで、長期的な投資において、節税インパクトが大きくなったといえます。
中長期的な視点で資産形成を行うことが推奨され、定期的な投資を通じて資産を増やすことが期待できます。
デメリット
- リスクの存在:投資対象となる金融商品にはリスクが伴います。市場の変動により、元本が減少する可能性があります。
- 損失を計上することができない:損益通算とは一年分の利益と相殺し、税金を減らすことです。
通常、上場株式の投資で配当や値上がり益などで得た利益に対して約20%の税金がかかりますが、他の取引で損失が出た場合は相殺されます。
一般口座や特定口座で使えるこの損益通算の仕組みが新NISAでは使えないことがデメリットです。
正しい始め方
- 自身の投資目的を明確にする:資産形成、リタイアメント資金の準備など、投資を始める目的をはっきりさせましょう。
- 金融機関の選択:新NISA口座を提供している金融機関を比較検討し、手数料やサービス内容を確認して選びます。
- 投資プランの策定:リスク許容度や投資期間を考慮して、適切な投資プランを立てましょう。
- 定期的な見直し:市場環境の変化に応じて、投資ポートフォリオの見直しを定期的に行うことが重要です。
今からでも遅くない理由
NISA制度は、資産形成の一環として中長期的な視点での投資を促すものです。市場は常に変動していますが、長期的な視点で投資を続けることで、リスクを分散し、資産を増やすチャンスがあります。
今回の変更では、かなり幅広く投資ができる環境になったと感じます。
銀行に置いておくのは安心安全かもしれませんが、眠っているお金には、働いて増えてもらいましょう。
よって、「今から始めるのは遅い」ということはありません。大切なのは、正しい知識を身につけ、自分に合った投資戦略を立てることです。
短期で一喜一憂するのではなく、中長期的な投資と考えましょう。
まとめ
NISA制度は、節税しながら資産形成を目指すことができる有力なツールです。
もちろんリスクはありますが、適切な知識と戦略をもって臨めば、大きなメリットを享受することが可能です。
投資の幅がさらに広がった、新NISA制度を利用して、賢く資産を増やしましょう。
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